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スペシャル

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【特派員メモ】やんばるの森 アキノ隊員のネイチャーガイドに参加しました

2018.06.25

特派員 青木由希子

 沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる地区にある国頭村(くにがみそん)、大宜味村(おおぎみそん)、東村(ひがしそん)は、やんばる地域にのみ生息する固有種や貴重ないきものが確認されている生物多様性がゆたかなところです。その一部が、平成28年に33番目の国立公園として環境省より指定されました。現在、世界遺産登録にむけての動きと共に、米軍北部訓練場(同、返還跡地を含む)の基地問題が改めて注目されています。

 沖縄県内の森林性の蝶(チョウ)の生態を調査・研究されている宮城秋乃さん(アキノ隊員)のネイチャーガイドに参加しました。
   *アキノ隊員の解説を「」で括っています。

やんばるの森に雨が降るなか、東村高江の人里近い林道に入りました。

 山がためこんだ雨水が少しずつ流れていって、林道の水たまりでみつけたのは、ナミエガエルの卵。

 「超レアな、ナミエガエルの卵。今まで見た中で一番多い!」

 「やんばるの固有種で、成体を見るよりもめずらしいです。ひとつずつ丸く、卵をゼリーで包んでいて、一個一個、その周りに泥をぬりつけています。一般的なカエルはゼリーの中に卵がいくつも入っていますが、ナミエガエルの卵は、一個ずつです。

 ナミエガエルの抱接(ほうせつ)が、近日ここで行われたのでしょう。カエルは、メスの上にオスが抱きついて、メスが卵を産んだところにオスが精子をかけ体外受精をします。

 人里近い水たまりで、カエルの幼生期を見ることができます。夜になるとヒメハブが、カエルを食べに来きます。」

 自然の中で生きていくことは、食べるか食べられるか、きびしいけれど、この場所でめぐる命の尊さに気がついて、アキノ隊員の話に聞き入りました。

 「これは、オキナワシリケンイモリです。尻が剣みたいだから尻剣イモリといいます。腹部は赤色です。(肝心な尻尾は、手のひらにぴったり巻きついていて撮れませんでした。)  準絶滅危惧種に指定されています。皮膚にフグと同じ毒がありますが、口に入れなければ大丈夫です。」

 林道の草むらに落ちていたイルカンダの花びら。
 「イルカンダは、オオコウモリが受粉させます。」

 縦長に削られている木をみつけて、(写真はないのですが)沖縄産カブトムシと本土産のカブトムシのちがいについて話を聞きました。

 「沖縄のカブトムシは樹液をなめるためにアゴで木を削ります。沖縄ではカブトムシが好む樹液を自ら出すのは、弱ったシークワサーぐらいなので、樹液をなめるために木を削るようになりました。沖縄のカブトムシは森に住んでいます。

 本土のカブトムシは、木を削らずにクヌギやコナラ(外来種)の樹液をなめています。それは、ボクトウガ(木蠹蛾)の幼虫が、木の内側から傷をつけて、樹液を出させているからです。その樹液を飲みに外からくる蝶や蛾を、ボクトウガの幼虫は牙(きば)で捕まえて、食べます。本土のカブトムシはクヌギやコナラのある人里近くに住んでいます。

 本土のカブトムシは赤みの強いものがいるが、沖縄は黒みが強いです。

 本土のカブトムシが北海道にわたると、クヌギやコナラがないため、スイカを食べるようになりました。

 沖縄のカブトムシは数が少なくて最近採集禁止に指定されましたが、同じカブトムシでも本土のカブトムシは、スーパーで売っているくらいです。」

 「これはなんでしょう?
 リュウキュウイノシシが、食べものを探すために掘った場所です。」

 「本土よりひとまわり小さな亜種のイノシシが、エサを探した跡で、ミミズとか、きのこや草木の根などを求めて何回も掘られているところです。よっぽど、虫が多いところだというのがわかります。

 沖縄のイノシシは、本土のイノシシのようにあまり襲ってこないけれど、夜に会うと怖いです。子連れの母親に出会ったときは気を付けないといけないと言われています。」

 新川川(あらかわがわ)沿いの林道を歩いているあいだに、時々、ヤンバルクイナの鳴き声が美しく森にひびきわたりました。足を止めてみんなで耳を澄ましました。縄張りを知らせたりするそうです。いつか、ヤンバルクイナに会いたいと思います。

ヤンバルクイナ: 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)沖縄本土北部やんばる地域のみに分布する。外来生物であるマングースやノネコに食べられてしまうことや、森林の伐採、開発による生息地の減少と分断、交通事故が原因とされる。(私たち人間の手によって減少してきたと言える。)

新川川(あらかわがわ)です。雨の直後は茶色に濁っていますが、時間が経つと場所によっては、川底がきれいに見えるくらいに澄んでいきます。

 「この新川川の上はダムですが、少し歩いただけで、これだけのいきものを見たり感じたりすることができます。

 新川川のある東村高江のとなり国頭村安波(あは)には、宇嘉川(うかがわ)があるが、米軍北部訓練場の中にあるため入ることはできません。宇嘉川はダムがないため、自然度はさらに高いのですが、もう入ることはできません。」

 宇嘉川河口は1996年の日米合同委員会(SACO)最終合意により、米軍への提供水域となっています。
やんばるの森が私たちに教えてくれる生物多様性のゆたかさとは裏腹に、私たち人間が生物多様性をおびやかしている現実があります。

アキノ隊員

Profile: 宮城秋乃(みやぎあきの)
      1978年生まれ。沖縄県浜比嘉島出身。
沖縄県内の森林性のチョウの生態を研究。おもに沖縄県指定天然記念物のフタオチョウとアサヒナキマダラセセリ、準絶滅危惧種リュウキュウウラボシシジミ、生態不明種ミヤコホソコバネオオハナノミを調査。2011年の秋より、東村高江・国頭村安波の米軍ヘリパッド建設地周辺の生物分布と、ヘリパッド建設や米軍機の飛行が野生動物に与える影響を調査。2017年、新崎盛暉平和活動奨励基金で活動が評価され助成交付者に選ばれる。日本鱗翅学会・日本蝶類学会会員。 ブログ「アキノ隊員の鱗翅体験」 http://akinotaiinnorinshitaiken.ti-da.net/ で沖縄の昆虫、自然、環境問題、昆虫イベントのお知らせを発信中。

  

世界自然遺産登録(奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、西表島)について

ユネスコの諮問機関であるIUCN(国際自然保護連合)は、2018年5月に登録の延期を勧告した。環境省の中川大臣は、IUCNが勧告の中で「世界自然遺産の推薦地への統合が必要だ」とした米軍北部訓練場の跡地について、今年7月までに跡地のほとんどを隣接する「やんばる国立公園」に編入することを明らかにした。一旦、世界自然遺産の推薦書を取り下げ、2020年の登録を目指す考えを示している。

米軍北部訓練場をめぐっては、米軍が枯れ葉剤を使用した証言もあるが、調査・検証はしておらず、米軍北部訓練場と登録推薦地が隣接し緩衝地帯を設けられていない点や、米軍北部訓練場の跡地から米軍のゴミが放置されたままであるなどの課題が浮き彫りになっている。
(2018年6月1日までの情報まとめ)

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