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スペシャル

SPECIAL

【特派員メモ!】夷隅川(いすみがわ)によってつながる、里山と里海をめぐる現地見学と公開セッション(2)

2017.05.25

特派員 青木由希子

ラムサール・ネットワーク日本(RNJ)主催の第6回「田んぼの生物多様性向上10年プロジェクト」地域交流会inいすみのイベントで、千葉県いすみ市の里山と里海をめぐる現地見学バスツアー(2月25日)と、公開セッション(2月26日)に参加しました。

前回の(1)←リンク<http://jcnundb.org/special/special01/2212/>につづいて、今回の特派員メモは、「有機稲作モデル事業の成果と発展」矢澤喜久雄さんのお話しと、「資源の地域循環/海藻の活用」手塚孝夫さんのお話しです。

みねやの里 なばなの畑

  • 矢澤喜久雄さん
  • 民間稲作研究所の稲葉光國先生
  • 自然と共生する里峰谷(みねや)村

矢澤喜久雄さんのお話し(環境保全型農業連絡部会部会長)
「有機稲作モデル事業の成果と発展」

いすみ市では、「自然と共生する里づくり連絡協議会」が2012年に設立され、環境の保全と経済の自立を柱として、市民と行政が取り組みを進めてきた。

みねやの里では、2013年に22aで稲作の無農薬栽培をはじめた。おっぽり(水をためておくところ)や魚道をつくった。無農薬栽培の心配は害虫と雑草である。予想通り草だらけになったが、害虫の被害は天敵といわれるアマガエル、クモのおかげで出なかった。

〜先進的な有機稲作を学ぼうと、『有機稲作モデル事業(2014年〜2016年)』が、はじまる〜

いすみ市の気象・土壌条件にあった有機稲作標準技術体系の確立を目指す。「民間稲作研究所」の稲葉光國先生の指導をいただいて、「いすみ市」「JAいすみ」と連携し、有機農家の育成を実施する。

2014年の有機米づくり1年目は、仲間は30人、モデル事業へ3団体の参加と、田んぼは1.1haに増加する。
雑草の問題は、民間稲作研究所の稲葉先生の研修を受けた全員が抑草に成功し、雑草が出なかった。

布留川先生のお話しにありましたように、2014年4月22日に豊岡(愛知県)から、コウノトリがみねやの里に飛来し、有機稲作モデル事業への関心が増えてきた。

部会で、有機稲作を収穫してどのように活かしたらいいか、いすみ市らしい取り組みについて話し合い、「子どもたちに学校給食で食べてもらおう」、子どもたちの健康に貢献することによって、子どもたちが農業、食、環境について学ぶ機会になってくれたらすばらしいと思い、市に提案すると、いすみ市の学校給食は有機米100%を目指すことになった。このことは有機稲作農家にとって大きな励みとなった。2017年は、全国初になる学校給食全有機米が実現できるのではと思っている。

学校給食への提供がはじまり、ブランド名を公募したとろ、未来を担う子どもたちの健やかな成長を願ったお米「いすみっこ」と名づけられた。

有機稲作の取り組みを進める中で、都市住民との交流として2015年から「いすみ米オーナー制度」をモデル事業としてはじめる。米づくり体験や田舎料理など農村の暮らしを楽しみ、柿狩り、なばな摘みなどをしている。都市と農村との交流が広がるといいと思う。

2016年からは、いすみ市の学校で「いすみ教育ファーム」の食育としても取り組まれることになり、有機米給食が、食の安全という実体験を通じて環境と農業と食を結び、子どもたちに将来、地域をささえてくれる力が育ってくれたらと期待している。

稲葉先生からの教えで、堆肥・有機肥料はできるだけ地域の資源を活用した循環型の肥培管理をめざすよう取り組んでいる。おから、くず大豆、米ヌカ、籾ガラ、海藻など原料に応じて発酵など手を加えて肥料をつくり、使用割合を高めている。うれしいことに、今年、いすみ市は、土着菌をつかった堆肥・有機質肥料の製造センターをつくる。これにより地域の資源を活用した肥培管理と循環型有機農業を推進することが期待できる。

有機稲作は、土づくりから害虫防除まで様々な命のつながりによって支え合っている。生物多様性の意味や価値を私たちなりに理解してきている。

生き物があふれる田んぼには、子どもたち、都会の人たちもやってきて地域が賑わう光景が生まれる。
「いすみっこ」の学校給食提供によって、生産者が地域に直接貢献できている実感は、生産者として誇りに思う。今後、克服しなければならない技術的や経済的な課題も支え合いながら、いすみ市を有機の里にするために全力をあげていきたい。

いすみ市の里海と里山のながめ

  • 海の中までいすみ川はつづいている
  • 太東崎灯台にて
  • 手塚孝夫さん

 

手塚孝夫さんのお話し(房総野生生物研究所代表)
「資源の地域循環/海藻の活用」

「里海と里山の資源循環」を考えていく。海藻を肥料として使う話をします。

最近、資源と言う言葉、地域資源、地域資源の掘り起こし、資源を有効活用しようという話を聞きますが、田んぼや里山と向かい合った資源は、切り口がふたつあると思う。

ひとつは、人間にとっての資源。衣食住を満たすもの(衣料材・食材・建材)。
もうひとつは、資源を生み出すための資源(養分や無機塩類・水・空気・光)がある。

昔、綿花は干したイワシを肥料にしていた。
私たちが必要とする綿花という資源は、もうひとつの資源(イワシ)があって成り立つ。

森をスタートにして、田んぼを通って水の流れを追いかけて資源を考えてみる。 森から出てきた資源のミネラル(金属)と無機塩類(リン酸・フルボ酸)は水に溶けて、一部は地下深く浸透し、一部は田んぼに出てきて、表層に出てくるものは、田んぼへ流れ込む。

いすみ市をみると、田んぼへの水の入り方は3通りある。
① ため池、用水堰から水をおとす
② いすみ川などの川から水を汲み上げる
※この①②は、冬期乾田化の田んぼが多い
③ 天水(雨水、湧水、伏流水)を使う
谷津田、おっぽり、穴堰(山の斜面に洞窟を掘って水をためる)など
※伝統的な水田で、冬水田んぼが見られる

田んぼから出た水は、水路を介していすみ川に流れる。
里山からのミネラル・無機塩類に富んだ河川水は、海に入っていって、器械根(※)と呼ばれる沿岸域に流れ込み、いすみの海の豊かな生物資源(魚介類・海藻)を育んでいる。いすみの器械根は、伊勢海老の漁獲高で日本一になったこともある。

(※)器械根とは、
海の底が岩礁になっていて里山が沈んでいるような形状のところを根という。器械を使って潜水するアワビ漁をしていたことから、器械根といわれている。

江戸時代を起源に、干鰯(ほしか)という、油抜きしたイワシを干して乾燥させた肥料で、綿花栽培からはじまって畑の肥料でよく使われていた。寄りモクという、海岸に打ち上げられた海藻を乾燥させた肥料が畑や田んぼで使われていた。海藻を里山に持っていき、野菜と物々交換をしていたという話しもある。

里海を含めていすみ市と考えるとおもしろい。
里山がそのまま海に沈み、海中林があり、海底にいすみ川が流れていることになる。地図を見ると、入りくんだ等高線があり、里海の海底はなだらかではなく凹凸に落ち込んでいて、たどっていくといすみ川につながっている。

海藻を肥料として使う話。
① どんな海藻を使っていたのか?
海藻は3色あり、茶色のカジメ、ワカメ、ホンダワラ類、赤色のユカリ、オゴノリ、緑色のアオサ、ミルなど。
(ミネラル・アルギン酸との関係で、赤色と茶色の海藻を好んで入れていた。緑色も混ぜて使うこともあった)

② どんな作物の肥料にしたのか?
芋類(サトイモなど)が多く・ネギ・夏野菜に使われた。(海藻類が供給される時期につくられる)

③ どんな状態で肥料に?
海藻を乾燥させて、または生のそのままで畑に入れる。効果的に使いたいときは発酵もさせる。

④ どんな効果があったか?
野菜は甘くておいしくて濃く味がよくなる。 

注目すべきところは、
・海藻の肥料は長期収穫に向いている
・化学肥料を使うと短期的に収穫はよくなるが、収穫期間は短い

有機は長く収穫できて、海藻の肥料はさらに2倍ぐらいに収穫期間は伸びる。海藻の細胞壁構造のためと思われる。海藻を雨ざらしにすると、枯死し色が抜けて分解され、細胞壁を中心とする構造が残る。分解が遅く多孔性(穴がたくさんある)があるので土にすきこむと、細菌の定着と空気や水の保持ができて、土がやわらかくなり土の色が濃くなる。

4月以降、千葉工業大学と房総野生生物研究所の共同研究で、「土壌・水質の分析」と「情報収集と分析」を進めて、そこに農業者の実践と合わせて総合的に研究していきたい。

こどもたち
いすみ市立国吉小学校5年生の発表会
公開セッションでは、国吉小学校5年生による「田んぼと里山と生物多様性」について歌と劇の発表会がありました。
田んぼの生き物調査や米づくりの体験を通じて、生き物のつながりを学び、生物多様性や食物連鎖について考えたことを教えてくれました。
「田植えをするとき、田んぼはぬるぬるしているから、足のつま先から入るといいよ、足を抜くときはかかとから出すといいよ」
「米の花が咲いて、穂が育ってくるとうれしい」
「カエルやクモは田んぼの宝であり、米を無農薬で育てることができる」
みんなと稲刈りをして天日干しをして脱穀したことや、田んぼに飛来したコハクチョウを見にいったときのことを、生き生きと元気にお話してくれました。

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