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国際会議の動向

INTERNATIONAL CONFERENCE

リオ+20準備会合およびSBSTTA16参加報告書

2012.07.12

◇ SBSTTA16参加報告書
RIO+20準備会合およびSBSTTA-16参加報告書

資料作成 2012.06.20
作成者:IPBESと資金メカニズムテーマグループ 代表 服部 徹

1.RIO+20準備会合

開催場所:アメリカ・ニューヨーク
滞在日程:2012年4月27日~2012年4月29日
 6月に、ブラジル・リオデジャネイロで開催される国連持続可能な開発会議(RIO+20)は、
1992年に生物多様性条約を生んだ会合の20周年である。
この会合は10年単位で行われ、10年前はヨハネスブルクで2002年に行われ、
持続可能な開発のための人的資本(Human Capital)への投資の重要性についてフォーカスがあたり、
国連持続可能な教育の10年が制定された。

その10年後、舞台を1992年と同じリオ・デジャネイロで開催されることからRIO+20と呼ばれ、
ここでは、持続可能な開発のための自然資本への投資の重要性が議論される予定である。
このため、UNEPを中心に、自然資本へ投資をする経済へのシフトを
提案する「貧困削減のコンテキストにおける、グリーンエコノミー」を議論のたたき台として提出し、
準備会合による成果文書「The Future We Want」の議論が2012年1月より開始されてきた。
この会合では、国連のECOSOC(経済社会理事会)が主催しており、主に国のデリゲートが議論を行い、
NGOを含むメジャーグループが議論を傍聴したり、グループとしてのメッセージを表明する形で参加できる。
 筆者は、以下の理由から、SBSTTAの旅程途上で立ち寄る必要があると判断した。

  1. 生物多様性条約を生んだ国連の上位会合であり、人類全体としての優先順位という観点から
    生物多様性の議論をどう位置づけるべきか?俯瞰して考える機会となる
  2. 生物多様性から生まれる生態系サービスおよび自然資源の総称である自然資本への投資が
    重要論点のひとつとなっており、筆者のテーマグループの話題の中心が取り上げられること。
    特に、RIO+20の成果が次の生物多様性条約 COP11の議論に大きく影響を与える可能性がある。
  3. 国連生物多様性の10年市民ネットワークにて、RIO+20に参加する予定であること
    情報収集とネットワークづくりを行う目的なので、準備会合と、メジャーグループの会合にそれぞれ、
    1日ずつ、2日間を割り当てて、ニューヨークに滞在した。

 準備会合では、成果文章に向けて当初から議論されてきた「グリーンエコノミー」は欧州の主張に対して、
途上国側からの開発への制約がかかる懸念から強い反発を受けて退潮気味である一方で、
生物多様性に関する記述が成果文章に少ないという課題がある。
日本は、後者にフィーチャーして、環境省がこのテーマをフォローし、
同じく国連生物多様性の10年市民ネットワークのメンバーの今井氏が
IUCN日本委員会の立場からこの課題を追って活動をした。
環境省は議長国として鋭意、生物多様性の主張を発信することを目指し、
また、SATOYAMAイニシアチブを成果文章に残していきたいという戦略を持っているようだ。
参加したのは中盤ということもあり、成果文章に向けて各国がどんどん意向を追加しているところで、
早くもテキストはどんどんとふくれあがって読みづらいものとなっていた。

 一方、翌日、メジャーグループ会合は、国連会場のそばの協会で行われた。
規模は50名くらいであり、主に先進国のメジャーグループ幹部が主だった顔ぶれだった。
日本人NGOも若手が多く参加しており、内容は参画や社会正義に関わる政策の内容であった。
生物多様性の内容とは距離の大きい内容であったため、
日本人のNGOらと今後のRIO+20プロセスへ向けての別途会合を持って情報交換を行った。
メジャーグループとしては、本会合よりも、ブラジル政府がはじめるオンラインダイアログで、
直接さまざまな意見を言えるので、そちらに注目することが良いかもしれないとのことだった。

 2日間のRIO+20プロセスの下見を通して、RIO+20の成果文書が環境と開発のすべてを包括することから、
生物多様性や自然資本への投資の話題は主戦場について議論を集中しているというよりはむしろ、
多国間の交渉の中にひとつの例示として提出されている印象があった。
用意周到に準備を重ねてきただけでは欧州の自然資本への投資の主張が
それだけでは通らない現実を目の当たりにしているようでもあった。
特に、筆者がテーマとしている愛知目標を達成するための資源動員のIssueは、欧州が金融危機であり、
米国も国債残高が危機的、日本も同様であることから、
そもそもの資源動員の引き受け手が誰かわからないまま議論されており
(コーディネータはGEFではあるが、実際にGEFのファンドへの資金供給者(負担する国民)は一体誰か?)、
生物多様性や自然資本の公共財への、国連からの超トップダウンでの管理と
保全実践による政策的問題解決には方法論的に厳しさがある可能性がある。
人類全体としての優先事項は、欧州が主張するように地球全体の生物多様性の劣化への心配
(しかもたいていそれは途上国の領土の中にある)ではなく、
まずは途上国がしっかり健康で充実した人生を送ることができるプラットフォームを
確立することが先であることが主張されているようである。
たいへん平たく言えば、もしも、先進国(主にEU)が地球の心配をしたいのなら、
それは先進国のニーズなのだから自分でお金を払って自分で保全すればいいのではないか?
というのが途上国の主張であり、一定の説得力を有している。
途上国が環境問題に関心がないといっているわけではなく、ムリを言っているわけでもない。
この論法で見れば、先進国の方がリッチなくせに我儘放題にすらみえる。

以上が、2日間の総括であるが、補足として、現在の粘着質ですれ違いだらけの交渉は、
表面的に先進国側が途上国の活躍の場を提供するために
そのように形成不利に見せかけているだけの交渉戦略なのか、
気候変動枠組み条約などで見せているように
本質的に途上国へのオピニオンへのパワーシフトがなされているものなのか、
はたまた、国連プロセスそのものが非生産的であり実行力を失いつつある現場を目の当たりにしているのか?は、
現時点での筆者は、当事者ではない通りがかりにすぎないため判断がつかない。
RIO+20が終了した際、その結実で見極めたい。

2.SBSTTA会合

10月にインド・ハイドラバードで開催される第11回締約国会議までに2度の科学技術助言補助機関
(Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice ;以下、SBSTTA)が
それぞれ1週間ずつ開催される。
SBSTTAは科学技術助言補助機関として締約国会議に向けて、決議(案)を作成することが、
役割であり、次のスケジュールで開催された。

SBSTTA-16
開催場所:カナダ・モントリオール  日程:2012年4月30日~2012年5月4日
交渉文書:http://www.cbd.int/doc/?meeting=SBSTTA-16
http://www.cbd.int/doc/meetings/sbstta/sbstta-16/official/sbstta-16-01-add1-rev1-en.doc

SBSTTA-16の議題案は下記の通り。

  1. 科学技術助言補助機関の効率改善の方法と手段、特に生物多様性2011-2020戦略計画とその問題を
    焦点としたIPBES(生物多様性と生態系サービス関するに政府間科学政策プラットフォーム)との連携と
    オプションについて
  2. GBO(地球規模生物多様性概況):第四版の準備
  3. 島嶼域の生物多様性:作業プログラム実施の評価徹底。
  4. 海洋と沿岸の生物多様性:
  5. 生物多様性と気候変動:
  6. 世界植物保全戦略:決定X/17の実施における進展
  7. グローバル分類学イニシアティブ:包括的なキャパシティ*ビルディング戦略
  8. 新規の緊急な課題
  9. バイオ燃料と生物多様性:決議X/37の実施における進展
  10. 奨励措置:決議X/44の実施における進展
  11. 農業、森林、厚生の分野での共同作業についての報告

 今回の参加の目的は、RIO+20準備会合同様、下見、すなわち、

  1. 国際的な生物多様性保全の政策動向の把握
  2. 生物多様性条約事務局への訪問、
  3. 会議中の合間に開催されるサイドイベントで自分達の活動のアピール
  4. CBDアライアンス主催の事前の会合への参加、

CBD-COP11(インド、2012年10月)に向けたインドNGOとのネットワークといったCOP11へ向けての
事前の情報収集活動やネットワーク活動であった。

今回、UNDB市民ネットからは、筆者と、三石朱美の2名が参加した。
当初、三石がSBSTTA、服部がWGRIに参加する計画をしていたが、

  1. 筆者の専門分野は経済(特に資源動員)、三石の専門分野は法律(特に先住民族)と、
    明らかにスキルセットとカバー領域が違う
  2. IUCN-日本委員会から派遣されている、今井がUNDB市民ネットのメンバーでWGRIに参加する
  3. サイドイベントの開催を計画しており人手が必要であることもあり、
    2名ともSBSTTAに集中的に参加することとした。

その他、日本の市民社会からの参加者は以下のとおりであった。
 道家哲平  日本自然保護協会
 名取洋司  コンサベーションインターナショナル
 今井麻希子 IUCN-J
 服部啓子  IUCN-J

目的1「国際的な生物多様性保全の政策動向の把握」について
筆者が担当しているテーマグループに密接に関わる政策動向として、
IPBES(生物多様性と生態系サービス関するに政府間科学政策プラットフォーム)の議論を確認した。
CBD-COP10では、戦略計画(愛知ターゲット)を採択し、
SBSTTAに対して、各国がこの目標の実施、あるいは実施状況をモニタリングするために
必要とされるツールやガイダンス、そのための多年度計画の検討を行うために、
科学的知見からの助言を提供することを指示しており、
IPBESの運営や組織体制に応じて、CBDがこのIPBESをどのように活用できるか、
SBSTTAとの役割分担などを検討することが求められていた。
IPBESそのものは、条約とは独立して生物多様性について科学技術的見地からの政策への翻案を行う組織であり、
主に、生態学者や社会科学者・環境経済学者らによって構成されている。
Global Outlook等で示される生態学や生物学等の現状に関するデータを、
社会経済的な立場から「意味づけ」を行う。
一方、IPBESは、「価値付け」や「評価」は、政策者に委ねるとして行わないとされている。
こうした意味で、役割がSBSTTAと重なることもあり、注目された議論であったが、
結論から言えば、「役割分担を適宜行い、両輪で回す」ということとなった。
IPBESは、生物多様性の劣化や現状の人類にとっての意味、そして、SBSTTAは、
その意味から判断して何を行うべきかの候補を考える場に、
そして、COPは決める場になるのではないか?と思われる。
 その他、経済的インセンティブ手法に関する議論もあり、NGOや途上国から多様な意見が出されていたが、
特に資源動員に関しては「WGRI」で検討するということで、おおむね合意を見せていた。
少なくとも、今ある負のインセンティブを除去しようというのは、
SBSTTAの参加者の誰からもWelcomeな内容だからだ。
 また、「新規の緊急課題」において、「構成生物(Synthetic Biology)」と
「地球工学」に関する話題がホットであった。
もちろん、NGOセクターは、予防原則に基づき、
こうした新しい技術に対してネガティブである見解を持っている。
しかし、具体的にはどれくらいのリスクであるのかについて、出来る限り正確な把握の必要がある。
リスクがあるものは皆ダメということになると、
「過剰な火災報知器」としてかえって世の中にとって迷惑なだけな主張になりかねないからだ。
特に「構成生物(Synthetic Biology)」については不勉強であったので、
ポジションを判断ができず、COP11までにきちんとフォローができるようにしたい。

目的2:その他、生物多様性条約事務局への訪問

目的3:「会議中の合間に開催されるサイドイベントで自分達の活動のアピール」
本件は、小規模の持続可能な生産と消費についての指標ワークショップを行うことを、
本番に向けての「練習」として、計画していた。
しかし、この予約していたサイドイベントが、他の同日同時間枠のサイドイベントがキャンセルとなり
最終日の昼の唯一のサイドイベントとして最大級の部屋をあてがわれることとなった。
「練習」のつもりが、必要以上の関心を集めることになった。
サイドイベントはランチを提供するので、ランチ目当てで多くのデリゲートが
おあいそなりにも参加することが予想された。
このため、この期待に値するだけのクォリティを出せるだけの賭けに出るには、
準備が不足していることから(そしてランチの予算が大きくなることもあり)、
直前でキャンセルすることとなった。・・・残念。

目的4:CBDアライアンス主催の事前の会合への参加、
CBD-COP11(インド、2012年10月)に向けたインドNGOとのネットワーク

 改めて、日本のCOP10でのIUCN日本委員会の道家氏の活躍を理解することとなった。感謝。

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