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国際会議の動向

INTERNATIONAL CONFERENCE

【CBD COP12特集】CBD COP12 公式エクスカーションの報告

2015.06.21

UNDB市民ネットワーク 三石朱美

2014年10月6日~17日の2週間、CBD COP12が韓国江原道平昌で開催された。会期中の11日~12日の週末には、UNDB市民ネットも公式スポンサーのひとつとなって、条約事務局が主催する公式エクス力一ションとシンポジウムが聞かれた。以下本稿では、企画実現に至った経過と成果を報告する。

CBD COP12に先んじて、2014年6月にカナダ、モントリオールで開催されたSBSTTA18で、先住民族と地域コミュニティ(以下IPLCs)グループは条約事務局の担当者とともに、CBD COP12において各地の伝統的知識や文化の多様性と生物多様性とのつながりをどのようにアピールするかに関する議論を行った。その中で、もっとも大きな懸案だったのは、CBD COP12のホスト国となっていた韓国には国連で認められた先住民族がおらず、IPLCsの人々とホスト国の地域の人々との聞に窓口がないことであった。そこで、KCN設立時から、CBDCOP10以降の経験をもとに韓国側市民とコミュ二ケーションを深めていたUNDB市民ネットや、韓国ラムサールCOP10以降、継続的に日韓市民交流を深めていたラムサール・ネットワーク日本といった韓国市民との交流経験が長い日本市民が、条約事務局やIPLCsの人々との窓口としてサポー卜していくことが期待されたSBSTTA18では、2013年秋に開催された8条j項ワーキンググループ(8jWG)の成果なども含め、IPLCsがCBD COP12の場で締約国にアピールしたいことの整理がなされた。すなわち、先住民の文化や慣習などは生態系管理に重要な役割を果たし、土地の管理や資源管理に貢献していること。これらの伝統的知識や、保全や持続可能な利用に関する集合知を深めていくことが重要であり、保全のみならず生態系の再生、伝統的知識の背景にある科学的知識などを整理し、CBDにかかわるすべての締約国の共通のものとしていくための取り組みが重要であることなどが確認された。
SBSTTA18には韓国市民の参加は実現しなかったものの、UNDB市民ネットワークが預かっていた韓国市民側のCBD COP12で市民社会の一員として韓国の伝統的な自然と共に存在する地域文化をアピールする機会を持ちたいとの要望と、CBD COP12参加者に韓国の豊かな自然や風景を知ってもらいたいという思いをIPLCsのCBD COP12準備協議において伝達することができた。その後、CBD COP12が始まるまでの半年間、条約事務局の伝統的知識に関する担当官ジョン・スコット氏、韓国市民ネットワークのキム・チュ二氏を交え、メールや電話での打合せを行い、会期中の週末に、半日間の公式エクスカーションと一日半のシンポジウムを行うという2日聞にわたる公式行事の実現に至った。

生きものを素材とした大きなキルト

生きものを素材とした大きなキルト

UNDB市民ネットとしては、CBD COP12が隣国韓国で開催されているという地の利から、日本からも多くの会議参加者が予想されたことに始まり、このエクスカーションが安倍政権・朴政権下における東アジアの外交関係が悪化していく情勢の中で、国境を越え国際的な取り組みがなされるべき環境問題解決の現場において、隣国・韓国の文化を日本人参加者がそれぞれ深く知ることが国際社会にとっても大変重要な機会となる事を条約事務局に問題提起し、日本人参加者向けの通訳の手配などを担当する事で、公式スポンサーの一員として名を連ねることに至った。

月精寺への公式エクスカーション
10月11目、約120人の参加者はバス4台に分乗してエクスカーションの舞台となる月精寺に向かった。月精寺は、CBD COP12会議場であるアルペンシアリゾー卜から車で30分程度の場所に位置する江原道五台山国立公園の中に建立された仏教寺院である。643年に建立されたこの寺院は、1950年代に朝鮮戦争の戦災で焼失の被害に遭ったのだが、現在は再建されており、多くの僧侶が寺院内で生活し、また宿坊や修行受け入れなどの形で一般市民とも関わりが開かれた寺として存在しているようであった。当日は、英語話者、スペイン語話者、日本語話者グループの3つに別れ、寺側で用意されていたボランティアの解説を聞きながら参拝した。山門から本堂までの道のりは、五台山国立公園の豊かな木々に彩られた参道があり、美しい紅葉の季節に開催されたCBDCOP12の醍醐味を存分に味わうことが出来た。寺の入り口には生物多様性をモチーフとした生き物を素材とした大きなキル卜が飾られ、韓国側の「多様性の一日」に対する丁寧な準備の様子も感じとった。

伝統的な精進料理

伝統的な精進料理

また、川の側に位置する喫茶茶室では、韓国伝統の五味子茶やゆず茶を振る舞って頂き、伝統楽器を奏でる僧侶の演奏に耳を傾けた。
宝物殿の見学を追えた後、月精寺に隣接する尼寺に移動し、尼寺で準備いただいていた昼食を頂いた。2週間の会議のちょうど折り返し地点でもあり、韓国一般の唐辛子やキムチを用いた辛い料理は世界中から来た参加者にとって少しつらくなっている時期ではないか、という細やかな心遣いから、寺の畑で栽培されている野菜を用いて、韓国に唐辛子が伝来する前から韓国の人々が食べていた伝統的な精進料理が準備されていた。調理された味の優しさ、野菜のおいしさ、また、料理の種類の多さと、何よりも盛りつけの美しさに、参加者は皆、歓声をあげ、舌鼓をうって深い心遣いに感謝したのであった。

月精寺本堂にて記念写真

月精寺本堂にて記念写真

食後、参加者は国立公園の山々の風景を堪能しながら、月精寺の本堂に移動し、CBD COP12に向けて韓国の仏教寺院が延べ5日間もの合宿を重ねて準備されたという平昌仏教宣言(2014 PYEONGCHANG BUDDHIST DECLA RATION FOR L1FE-PEACE)の読み上げと採択が行われた。宣言は、アミニズムの考え方に影響をうけた韓国仏教の哲学を基盤に、文明の進化や経済発展がもたらす自然破壊の脅威を指摘し、すべての生物が普遍であらねばならないこと、すべての生物が平等であらねばならないこと、生物の保全につらなる神聖さを文化として創造しなくてはならないこと、そして人類は全ての生命にとっての平和に対する責任をもつべきであることが高らかに延べられた。
満場の拍手での採択された後、CBD COP11の時にヒンズー教と文化、生物多様性をテーマに議論されたことがCBD COP12でつながりをもっていることを象徴するトロフィーの受け渡しが行われ、参加者全員での集合写真を撮って月精寺を後にした。
またこの仏教宣言は、CBD COP 12のハイレベルセグメントにおいてもKCNのキム・チュニ氏から読み上げられ、広く国際社会に発信された。

シンポジウム
寺を後にCBD COP12会議場に戻った我々は、その後、半日間のシンポジウムを行った。そこでは、文化・宗教と生物多様性との関わり、IPLCsの伝統的な社会慣習と生物多様性の関連などを確認し合う議論が行われ、各文化や伝統的知識を多様な側面からデータベース化していくことの必要性などが議論された。

シンポジウム

シンポジウム

また、翌一日にわたるシンポジウムでは、これまでにIPLCsの参加者が各地域で行っている地域ワークショップの取組みの成果報告がなされ、伝統的知識保全のためにコミュニティの中でおこなわれている普及啓発活動や生態系資源の調査活動、各国のNBSAPなどへの働きかけなどさまざまな取組みが報告された。またこの場で、韓国地域社会のなかの自然保全の取組みや課題、ラムサール・ネットワーク日本からも日韓の湿地保全交流が積み重ねてきた実践の紹介などがなされ、CBD COP12が実際に開催されるまで、少し存在感が薄く感じられていた韓国市民のグラスルーツでの取組みや日韓という国際レベルでの取組みなどが紹介されることとなった。

雑感
今回の乙の2日間の企画に関わるととができたことは、多くの個人会員を韓国CBD COP12に派遣したUNDB市民ネットの成果としても、また個人的にも、大変、意義深く大きな成果をあげられたと考えている。1つには、会期中の議事進行時においてはなかなか時間をとって諸外国や諸民族の参加者とおちついたコミュニケーションを発展させることは難しいのだが、エクスカーションで歩きながら、美しい食事をとりながら、長時間のシンポジウムの休憩時間などの時間に、初めてCOPに参加した人たちもそれぞれが話題を提供し、各参加者とのコミュニケーションを深めることに挑戦できたと思っている。また、韓国国内においても現地では仏教寺院との交流がある韓国人は少ないと聞いたが、日本と重なるルートで伝来された仏教が、韓国の風土の中でいかなる社会的役割を果たしているのかを、生物多様性をキーワードにつかむこともできた。

同時に、韓国には国連で公式に認められた先住民族が存在しないにも関わらず、こうした伝統的な文化・知識と生物多様性の関連を発信できたことからも、IPLCs=先住民族と地域社会というグループが動く際に、どうしても先住民族の活動や成果重視で捉えがち、考えがちな点を、すべての国に地域コミュニティが存在し、それぞれが生物多様性とつながる尊重されるべき伝統的知識をもっているはずだ、という認識の共有にもなった。
今後、IPBESなどの場所で、各地の伝統的知識を科学的に整理していくことが議論されていくことになるはずであるが、その際に「地域社会」としての発信をしていくための大切な扉を開けたのではないか、と考えている。

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