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国際会議の動向

INTERNATIONAL CONFERENCE

【CBD COP12特集】日韓共催サイドイベント “Radiation, a New Challenge facing Biodiversity”

2015.06.21

UNDB市民ネットワーク 坂田昌子

KCN (Korea Civil Network for CBD)とUNDB市民
ネットは、10月10日、福島原発事故をテーマにしたサイドイベントとフリーデ、イスカッションを共催した。
市民ネットの呼びかけに応じ、CBDCOP10開催と愛知ターゲット策定を行った当時の首相であり、福島第一原発事故という世界が未だ体験したことのないほどの大事故の陣頭指揮にあたった菅直人元首相と飯館村放射能エコロジー研究会の共同世話人である環境ジャーナリストの小津祥司氏がスピーカーとして参加した。

2011年3月11日の福島第一原発事故からもうすぐ4年。
日本では放射能汚染による生物多様性の損失がますます深刻になっている。高濃度汚染水のタンク漏れが相次ぎ、地下水は山側から容赦なく流れ込み汚染されたまま海洋に流れ出ている。地下水は、事故後最も高い放射能汚染数値を次々とたたき出し福島原発の2号機内は、70Svという人がその場にいたならば5分以内で命を落とす汚染値。これが偽らざる日本の現状だ。UNDB市民ネットとKCNは、生物多様性条約において、世界が福島原発事故の教訓から学び、放射能汚染による生物多様性の損失の状況を共有していく必要性を強く感じている。
そのためには、NGOだけで議論をするのではなく、事故当時様々な判断を行わなければならなかった菅直人氏の政治的経験や事故後科学的調査を行っている学識者やジャーナリストから学び、多様な主体による国際協力や協調が、この問題の解決にとって不可欠であることをサイドイベン卜で明確にした。

講演内容
菅直人元首相は、福島原発事故に遭遇するまで、いわゆる「安全神話」を信じていた。3月11日事故の当日、彼は国会で予算をめぐり野党の厳しい追及を受けている時に大地震に遭遇し、すぐに首相官邸の災害対策室へ直行。地震直後、原発はすべて安全に停止したと報告を受けるが、1時間後、それは全く誤った情報であり、すべての電源が喪失、原子炉の冷却機能が停止したことを知らされる。4時間後には1号機がメルトダウン開始10時間後にはすべての冷却水が喪失しメルトスルー、いわゆるチャイナシンドロームの危険性が高まる。その後100時間の間に、2号機と3号機はメルトダウン、メルトスルー、3号機と4号機が水素爆発を起こし、悪夢の連鎖が始まった。この時点で、彼は最悪のシナリオを考える。

菅直人元首相

菅直人元首相

東京を含む250km圏5000万人の避難、国土の三分のーの喪失である。こんな事態はこれまで検討されたことがなく、情報をどのように公開すればいいのか苦悩した。情報を得ているが伝えることができない場合と判断できずに伝えられない場合の2つのパターンがあった。不幸中の幸いで、現実には250km避難にまでいたることはなかったが、彼は原発の持つ恐ろしさ、とんでもないハイリスクを思い知り、安全性を確保すれば原発は大丈夫という考え方がいかに甘いものであるかを知り、認識を改めざるをえなかったと言う。
日本では地震と津波が引き金になったが、人為的ミスやテ口などの場合も含めて、世界中の原発でいつかどこでも起きうることを彼は実感した。「自然災害と原発災害は、全く違う。自然災害は人の力で止めることはできないが、原発災害は起こる前に人の手で止めることができる」と彼は現在、自分の経験を世界に共有し、警告することが自分の使命だと考えている。
また彼は科学的技術の持つ二面性についても次のように警告をした。「今地球上の生物は、45億年という地球環境の変遷の中で共存できるものだけが生き残っている。しかし人間はプルトニウムという自然界にないものを人工的に作り出してしまった。プルトニウムが作り出されてまだたった80年足らずで、スリ―マイル、チェルノブイリ、福島が起きた。人類をふくめすべての生き物は、プルトニウムと共存できない。科学技術のもたらす負の部分から目を背けてはならない。世界は、日本の苦い経験から学ぶべきだ」。

小澤祥司氏

小澤祥司氏

続いて環境ジャーナリストの小津祥司氏から、福島県飯館村の事故後から現在にいたるまでの汚染状況と被ばくによる生物の奇形についての詳細な報告を受けた。福島第一原発由来の放射能物質は、風によって北西方向に流れ、阿武隈山地に雨と雪で地面に落ちた。事故の翌年には、2011年に世代交代した蝶など昆虫類に目立って奇形が出始めている。ヤマトシジミには眼や羽の形に異常があるものが発生、ワタムシにも腹部が二つに分裂、内臓が体外にはみ出しているものが発生、その様子が写真で示され詳細な説明が行われた。また魚類やニホンザルやイノシシなど晴乳類についても外形には異常がないものでも白血球の減少など免疫系に異常が出ている。キノコや山菜の汚染はすさまじくマイタケは16000Bq/時にいたる。山菜は根より茎や葉にセシウムが多いことなどが調査の結果判明した。
問題は、事故前の自然界で起きる奇形に関するデータがないことだ。被ばくの影響による奇形とそうでないものについての区別を行うためにも継続的な調査は必要であることが確認された。

マレーシアからの参加者

マレーシアからの参加者

ディスカッション
講演終了後、部屋をNGOルームへ移動し、フリーディスカッションを開催。実に3時間近くに及ぶ活発な議論が行われた。参加者は、日韓をはじめ、スリラン力、マレーシア、台湾、ネパールなどアジア諸国、力リブ、メキシコ、ドイツ、ストックホルム、アフリ力諸国、国連大学、グリーンピース・ノルディックなど、多岐にわたる国籍、団体が、サイドイベントとフリーディスカッションを合わせて、延べ約180名が参加した。自国に原発がある国、近隣国に原発がある国から危機管理に関する質問をはじめ、議論は原発の是非、安全性、一般国民への情報格差、核廃棄物の処理、自然再生エネルギーへの転換、原子力マフィア、原発と民主主義と多岐にわたった。

日韓共同声明

日韓共同声明

議論の中で、共有されたととは、

  • 放射能汚染は、生物多様性にとって大きな脅威で、あることhttp://jcnundb.org/wp/wp-content/uploads/2015/09/6-4-300×175.jpgを明言する必要がある。
  • 原発は低コストでクリーンなエネルギーであるという宣伝は誤りである。
  • 使いたいだけ使うエネルギーの消費のあり方を変革し、省エネに転換する必要がある。
  • 原発は強大な権力なしには建設不可能だ。原発を持つことは、その国が強大な権力を持ち、国民をコントロールする仕組みになっており、民主主義の危機をはらんでいる。
  • 原子力マフィアは選挙に影響を与え、政治の権力構造の転換を困難にする。
  • 再生エネルギーへの転換は重要だが、現実的にはすぐに原発ゼ口にならない以上、過渡的に、今ある原発の安全性や監視を重要視しなければならないこと。
  • 高レベル放射能廃棄物の処理は不可能であり、これ以上核のゴミを増やしてはならない。
  • 廃炉には大変なコス卜と技術が必要であり、これ以上新しい原発を建設することは、経済的にもメリッ卜がない。
  • 原発事故は、地域の共同体を根こそぎ破壊し、消失させてしまう。
  • 福島の経験を市民レベルで語り継ぐ必要がある。
  • 今世紀中には、原発は経済的にも倫理的にもなりたたなくなる。

今後に向けて
サイドイベントの最後に、日韓共同のステートメント「自然と共生し、生命の尊厳が守られる世界に向けて ~生物多様性の新たな脅威・原子力発電についての検討を求める日韓市民社会からの共同提言」を発表し、UNDB市民ネットとKCNのそれぞれの代表がサインし承認された。その内容の要約は、以下のとおりである。

「生物多様性戦略計画2011-2020・愛知ターゲット(The Strategic Plan for Biodiversity 2011-2020 and the Aichi Biodiversity Targets) のビジョンには、2050年までに人類と自然が共生する社会を実現することを掲げている。この人類共通の目標を妨げるさまざまな脅威が多数存在する。そのひとつが原子力発電所の建設や運営である。

スピーカーを囲んで

スピーカーを囲んで

福島原発事故は、生物多様性やその恩恵を受けて暮らす人々に大きな脅威をもたらした。しかし、世界を見ると、原発はアメリ力(100基)、フランス(58基)、日本(54基)、ロシア(33期)、韓国(23期)など29か国に437基が建築され、IAEAによれば2030年までに最大で約370基の原発の構想・計画が進行中である。福島原発事故のような事態は、どの原発でも起こりうることであり、原発による生物多様性への影響について、調査・研究・知見の共有に関する国際的協力の推進が必要である。さらにそれは専門家ばかりでなく、第一産業従事者など市民も含めたすべてのステークホルダーの参加によってなされなければならない。」
日韓NGOの協力により、多数の国で原発および放射能汚染に対し人類はどのように対処すべきかをめぐる議論の場を形成することができた。このサイドイベン卜をきっかけとし市民ネットのプッシュによってNGOステートメン卜にも「放射能汚染と生物多様性」が入れられた。CBDアライアンスと相談した結果、2015年11月にカナダのモントリオールで開催される科学技術助言補助機関第19回会合(SBSTTA19)で「放射能汚染と生物多様性」を重要課題として議題にあげていくために戦略を練ることとなった。日韓共同サイドイベントは、次への大きな一歩につながったため、今後日本サイドでもどのように条約にアプローチをするか議論を進めていきたい。

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